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「なっ、アホってなんだよお前。時間稼ぎのためなんだから仕方ねえだろ? 大体、俺はお前のことを思ってだなー」
「確かに時間稼ぎはできるけど、爆弾って……これ以上罪を重くしないでくれよ……」
「あん? これ以上罪重ねたって大して変わんねえだろ。要は捕まらなきゃいいんだからよ」
それに、とディムは楽しそうに付け加えた。
「その方がハクが付くだろ?」
「……」
馬鹿か、とフェルナンドは内心思ったが黙っていることにした。
「……で? どこに向かってるんだよ?」
「別にどこにも。ただ適当に歩いてるだけ」
「はあ?」
「いや、とりあえず早いとこ城から離れちまおうと思って」
真顔でそう言う青年を怪訝な顔で見ながら、フェルナンドはあからさまに溜息をついてみせた。
「はー……なんなんだよもう。これじゃ、あのまま城にいた方がマシだったかもな。あー面倒くさい」
「マシだあ? 死ぬのにか?」
ありえねえ、とディムが眉を顰めた。
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