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「坊ちゃまが書斎へ行かれるのは、単なる暇つぶしだけではないはずですよ。坊ちゃま、あなたは何のために書物を読まれるのですか?」
「何のため……?」
急に問われ、初めは困ったような顔をしていたフェルナンドだったが、根が真面目なので間を置かず素直に考え始める。
「うーん……よくわからないけど、多分、真実が知りたいんじゃないかな」
「真実、ですか?」
「うん。どんな本でも、最後には本当のことがわかるだろ? それが好きなんだ。……まあ、別に本だけに限ったことじゃないんだけどさ」
「と、言いますと?」
老人が興味深げに先を促した。
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