12/15
前へ
/24ページ
次へ
「俺、勉強はあんまり好きじゃないけど、知るのは好きなんだと思う。自分の知らないことを知るって、それまでの自分の価値観が多少なりとも崩れるってことだろ? なんかそれがすごく不思議でさ。だから、一つ知るともっと知りたいと思うし、知ろうとする。……これって好奇心旺盛ってことなのかな?」 自分で言いながらわからなくなり、うーんと唸るフェルナンド。 その隣でルーベンスは、なぜかその表情を曇らせた。 「そうですか――」 慣れ親しんだ世話役の歯切れの悪い口調に違和感を覚え、フェルナンドは小首を傾げる。 「どうかしたのか? もしかして俺、何か変なことでも言った?」 だがそれでも、ルーベンスは一向に答える気配を見せない。
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加