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「要はあれだろ? 死にたいか死にたくないかってことだろ? ぶっちゃけお前どうなのよ」 「――へ? い、いや、俺は――」 唐突な質問に慌てて口を開いたフェルナンド。 だがディムはそんな彼を尻目に、自分から振った突拍子のない話題に答える暇すら与えることなくおっかぶせて続けた。 「そりゃあお前、死にたくねえに決まってるよな。誰だって死ぬのは怖えもんだし」 「ま、まあ、確かにそうだけど……」 「でも、ここにいると殺されちまうんだよな? ……二日後に」 「うっ……」 青年の的を射た質問に、フェルナンドは不覚にも言葉に詰まってしまう。 そうなのだ。 理由はともあれ、投獄されたフェルナンドは、ディムが言った通り二日後に処刑されることになっていた。 正しく言えば『処分を下される』、つまり二日後に執り行われる王国裁判で正式な判決を下されるということなのだが、王族がこのみすぼらしい地下牢に投獄された時点で死刑はほぼ確定だった。 古来よりこの国には、法律を第一に重んずるという慣わしがある。 たとえ王族であろうともそれに逆らうことは許されない。 法廷で下された判決は絶対だった。 ――ただ、正直な話、フェルナンドは内心割り切れないでいた。 明確な理由すら知らされないまま、なんの前触れもなく牢屋にぶち込まれたのだから。 ――しかも実の親の手で、だ。 思い出す限り、フェルナンドは咎められるようなことなど何一つしていない。 唯一思い当たることといえば、城の窓ガラスを一枚割ったことくらいだった。
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