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あー、今日もつまらないな……
満員電車に揺られながら、彼女はふとそんなことを思った。
彼女の名前は
「本多 佐和子」
24歳 会社員。
独身。
コンタクトは目が渇くので、分厚いレンズの眼鏡は欠かせない。
髪の毛は肩よりちょっと長めのロング。
この長さが一番楽だから高校の時以来、スタイルを変えていない。
ずぼらな性格の為、お手入れも三ヶ月に一回のカットの時のみ。
しかも担当の人がかっこよくて親切という理由だけで通っている。
通勤用のバッグは二十歳の時に奮発して買ったブランドのバッグ。
毎日どんな時も持ち歩いていたら、今にも穴が開きそうなくらいすり減ってしまった。
靴に至っては消耗品だからと安物を買ったが、意外にも履き心地がよかった為、何ヶ月も履き続けている。今ではかかとはもちろん、爪先の方まで色褪せている。
服装はというと、今時就職活動でもなかなか着ないような形の紺色のリクルートスーツ。
これと同じ形を色違いで揃えている。
今日が紺色、明日はチャコールグレー、明後日は黒。この三色で日々通勤している。
そんな冴えない彼女だが、スカートから伸びている足はスラリと長く、足首はきゅっと締まっていて綺麗な足をしている。でも全体的な雰囲気が醸し出す暗いイメージから、誰も彼女のスタイルの良さには気づいていない。
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