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怒りで理性を失うと人は、関係あることないこと何でも言うんだな。
今思い返すとすんごく恥ずかしいわ。
バキンッ!!
俺とチャイナが一悶着していると小屋の入り口の木で出来ている扉が破壊された。
入り口で立っているのは、集団の獣。
鋭いヒズメ、細身で筋肉質の体、馬鹿でかい角を持った四本足の生き物。
シカ?
いや…トナカイだ。
「わぁ…、可愛い。」
エミュの目は、節穴なんだろうか?
こんな奈良公園で歩いてそうな動物のどこが可愛いんだろうか??
…明らかに俺の方がプリティーフェイスだろうが。
「なんだぁ?まだ掃除終わってねぇのかよ??使えねー新人だなぁ。」
………。
そ、空耳だろうな…。
なんか今、トナカイが喋ったような…。
「聞いてんのか!?さっさと終わらせやがれ!人間共ぉ!!」
「し、鹿が喋ったぁぁ!!?」
いや…チャイナ。
驚くのは、分かるがトナカイだって。
「全く使えねーな、フクロウの部下のくせに…。」
さっきから文句ばかり垂れている他より体がデカいがトナカイのボスなんだろうか?
…にしても生意気だわいな。
「何呆けてんだ!早くしろって言ってんだろが!!」
後ろ足で壁を叩く。
その鋭いヒズメで叩かれた木製の壁は、無残にも破壊されていた。
それを合図に固まったままピクリとも動かなかったみんなは、慌てて作業に取り組んだ。
それを見てトナカイ達は、薄ら笑いの声を上げた。
「ったくノロマ共が…それでいいんだよ。…ん??」
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