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「ももももう許さねーからなぁ。」
完全に頭に血が上ったトナカイ。
目なんか真っ赤っか。
赤鼻のトナカイつうか赤目のトナカイ…。
…ちょっぴりホラー。
ポロン。
刹那、間抜けな擬音と共に崩れ落ちたその物体。
紛れもないトナカイの角。
空気が止まった。
人間もトナカイもお目目ビョーン。
誰もが唖然とする。
片方の角を無くしたトナカイ、その姿のなんと間抜けな事か…。
「お、お俺の角がぁぁぁぁ!?」
辺りにどよめきが広がる。
昔、何かの本で見たが、角と言うのは、トナカイで言う力の強さ、強者の証らしい。
勇者の剣が崩れ落ちた。
「貴様等ぁぁ!何してんだぁぁ!?」
怒涛の声が響き渡る。
モジャモジャのフクロウ。
「フクロウの親父ぃ…。俺の…俺の角がぁ…。」
半泣きの状態でフクロウに嘆き掛けるトナカイ。
そのトナカイに駆け寄るフクロウ。
トナカイに傷がないか調べると俺を睨み付けた。
「また、貴様か。このトナカイは、なぁ!由緒正しきルドルフの血を受け継ぐ者なんだぞ!?」
…?
全く事を理解していない俺でも分かる。
何やら重大な事をやらかしたらしい。
「お前等は、今から30分の休憩!トナカイ達も向こうに昼飯を用意したから食って来い!!貴様は、俺と一緒に来い。」
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