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「入れ。主様…グランサンタがお待ちだ。」
フクロウは、あの場から俺を連れ去り、幾つもの階段を上って屋敷の最上階、一つの部屋に案内した。
「これからの処遇は、グランサンタが決める。幸運を祈る。」
先程の騒ぎから少し冷静さを取り戻したフクロウは、憐れみ溢れる目を俺に向けた。
…何?この気遣い?
何されるの??俺。
カチャリ…。
扉が独りでに開いた。
自動ドア?押し戸式の?
「何を呆けておる、さっさと入りんせ。」
中から乾いた声がした。
この声…聞いたことある。
恐る恐る部屋の中へと足を進めると…。
そこにあるのは、膨大な数の書籍。
大量の積み上げられた書類。
赤と白で染められた部屋の奧には、巨大な机。
その上にも書籍や書類が所狭しと置かれている。
そこに座りしは、主様、グランサンタと呼ばれる存在。
先日の晩餐会の席で乾杯を司った男。
こいつが…。
近くで見ると圧倒される。
体がデカいからじゃねぇ。
いや…勿論体も半端なくデカいが…それだけじゃねえ。
存在。
絶対的な存在感、威厳、カリスマ性。
対峙するだけで全身をチクチク刺激しやがる。
「シコン?クラノ??どっちで呼べばいいかの??」
俺の体が固まって動けなくなってるのを知ってか知らずかワザとおどけたように物事を言う。
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