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「おぉ~しみるぅ~。」
湯を張った浴槽に身を沈める。
作業での小さな擦り傷、切り傷がチクチクと痛いがそれがまた気持ちいい。
「極楽過ぎて昇天しそうだわいな…。」
『ミスターシコン?』
脱衣場の方からキュヴェの声が発せられ風呂場内に音が響く。
『お召し物をお持ちしました。』
「あんがと、後、キュヴェ、一つお願いが…。」
『なんなりと。』
「シャンプー取ってくれ。」
…………。
…………。
お~い、キュヴェ??
『…プッ!クククククッ…ウッウッウッ…ブフッ!!フゥーフゥー…。』
な、なんだ…!?
キュヴェがいきなり壊れだしたぞ!?
数十秒後の空白の後、キュヴェの深呼吸が聞こえ、いつもの調子を取り戻した。
『ミスターシコン、あなたは、本当にジョークがお上手で…。シャンプーは、必要ないでしょう?あなたの頭には、髪の毛がないじゃないですか…?』
『髪の毛がないじゃないですかぁ』『ないじゃないですかぁ』『ないじゃないですかぁ』
頭を言葉と言う名の鈍器で殴られたようだ。
小学生の時、好きな子の笛を舐めようと、盗んで、いざ舐めようとすると納豆の臭いがしたぐらいショックだ。
…朝飯、納豆だったんだな、かよちゃん。
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