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「お分かりになりましたか?」
「その説明で分かる奴は、エスパーだ。大体、"サンタの知恵"って何だよ。」
キュヴェは、やれやれと言ったあからさまなポーズを取ると話しを続けた。
「"サンタの知恵"とは、先代のサンタクロースがよりスムーズに任務を遂行させる為に編み出した力です。例えば…。」
フヮリ…。
「!?」
話しの途中でキュヴェが指を軽く鳴らすと当人が座っていた椅子がまるで風船の用に浮かび始めた。
「この"サンタの知恵"は、基本中の基本。ソリを浮かべる時は、トナカイの"サンタの知恵"とリンクさせるのです。」
難しい事は、わからないがこりゃぁ…一体どうした者か…。
まるでこりゃぁ…。
「魔法でねぇかい。」
その言葉を聞いた途端にキュヴェの顔が歪む。
「魔法とは、本来、魔女が使う物です。あのような野蛮な物とは、一緒にしないで下さいまし。」
……?
魔法じゃないんかい?
ってか、こんな馬鹿馬鹿しい空想みたいな力が存在するもんかね…?
「まだ疑っておいでですか?ミスター。才能と訓練さえすれば、あなたでも呼吸するのと等しいぐらい簡単に扱えますよ。」
「マジでか!?」
俺が魔法を使える!?
…イヤ、ハタチ近いおっさんが魔法だの何だの言うのは、少し痛々しいわいな。
しかし、人なら一度は、憧れたはず。
ホウキに乗って空飛んだり、火の玉でドラゴンを倒したり、皆から少しずつ元気を貰って、魔人を粉々にしたり、金髪になって「クリ○ンのことかー!!」とか。
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