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昼飯を済ませ、集まった場所は、屋敷の外れの小さな草原。
俺の脳裏には、草原では、トナカイよりも牛の方がイメージがピッタリくる。
「いよーし、連れてきたぞ。」
柵の入り口には、あのいざこざから1ヶ月ぶりの再開である糞トナカイ共。
俺は、露骨に眉間に皺を寄せ、他のメンバーは、心配そうな顔をした。
相手の存在を良く思っていないのは、トナカイも同じようだった。
「ほら、お前等、とっとと毛繕いしろ。トナカイ達ももっと近づけ。」
フクロウに促され、渋々といった感じで俺達の方へと歩み寄ってくる。
その先頭には、勿論、ボスである、体の大きい、片角のトナカイ。
「ケッ!何でこの俺様がお前に毛繕いされなくちゃならねぇんだ。胸糞悪ぃ…。」
「そりゃのこっち台詞だわいな…。もう片方の角も折ってやろうか??」
正に一触即発。
互いに一歩でも動けば、乱闘状態。
「止めねぇか!ボケナス共!!」
ボストナカイと共にフクロウにドデカい拳骨を脳天気に食らった。
「…ちっ、しゃぁねぇな。ほら、体を横に向けろ。このシコン様がブラッシングしてやるよ。」
大人かつ紳士的な対応でボストナカイに声を掛ける。
「貴様なんかにブラッシングされたら毛が腐り落ちるわ。そこのメガネの兄ちゃん!ブラッシングしてくれ。」
柵にもたれ掛かって煙草を吹かしていた、チャイナを呼び止めた。
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