2月

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二匹のトナカイ達は、まるで蟹の様に口から泡を吹きながら失神した。 テカ、角破壊者?? トナカイにとって角は、強さの証、勇者の剣。 それをもぎ取られるのは、プライドを肥溜めに突っ込まれるのに等しい。 「す、凄い…。」 暴言を吐かれたトナカイは、まるで他人ごとの様に唖然としていた。 俺にゃ、それが何より腹が立った。 「別に凄かぁねぇや。テカ、お前も雄だろ?あんな事、言われて黙ったままかい??」 俺の言葉を聞いた途端、シュンとするトナカイ。 「オイラだって…悔しいさ…でも、オイラは…。」 「おぉい!今日の作業は、此処まで!!ご苦労だったな。トナカイ達は、サッサと小屋に戻れ。」 何かを言いかけていたトナカイは、口を噤み、牧場を後にしようとする。 「おーい!お前、名前なんてぇんだ!?」 既に遠くなっているトナカイの姿に声を掛ける。 「オイラ、ルドルフ=ピノと申します!!」 「俺は、シコン!これから宜しくな!!ピノ!」
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