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女性は、瞳を閉じ、胸に手を当て大袈裟なアクションで溜め息を吐く。
｢良かった…言葉が通じて…。日本語は、余り知らないの…。英語なら通じるかなって。｣
彼女と俺が今話しているのは、英語。
彼女だって英語は、国の言葉では、ないだろうに…。
あんまりよく知らないけど。
｢私は、エルミタージュ。エミュって呼んで。｣
なんか某クエストの敵モンスターみたいな名前だな…。
｢倉野師魂…いやシコン=クラノだ。シコンでいいよ。｣
お互い自己紹介をしたお蔭か俺も緊張の糸を緩めることが出来た。
｢るっせえぞ！お前ら!!｣
さっきまで壁に向かってブツブツ呟いていたおっさんが急に牙を剥き出し怒鳴りつけてくる。
｢ごめんなさい…。｣
ありゃりゃ…エミュ、しゅんとしちゃった。
｢全くフランス人は、煩くて適わんな!!女は、気取っているし、おしゃべりだし…。｣
｢ヘィ、チャイニーズ。｣
俺は、身を乗り出し、中国人のおっさんに顔を近づけた。
｢な、なんだよ！ジャポニ…。｣
｢言い過ぎじゃね？謝ったじゃんよ？？｣
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