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真美が物心ついたのは4歳。
ある日突然、自分の顔を鏡で見た時…
…気に入らなかった…
(これが私の顔なの?)
と真美は思った。
(他の子のが可愛い…イヤ!
こんな顔!イヤだ)
言葉にならない思いが、身体中をかけめぐる。
幼なじみの一つ上のお姉さんが、人生初の友であり、真美の容姿を受け入れてくれる…
そんな純粋な幼少時代…
そんな幸せな日々は、わずかなものだった。
保育園に入園した真美は、母方の祖母の家に引き取られ、送り迎えも祖母がしてくれた。
バブル最高潮にいた、母の勤め先は好景気で、毎日忙しく、真美が早起きした時位しか、母とは顔を合わせる事がなかった。
父は公務員。忙しいらしく、真美が昔住んでいた、小さな家に一人でいるみたいだ。
たとえ顔を合わせても無口な父との会話はほとんどない。
真美の通う保育園には、優しい幼なじみはいない。
幼なじみは幼稚園に入り、塾にも通いはじめ、それ以降、遊ぶ事も、話す事もなくなった…
真美の入園した保育園は厳しい所だった。
身体が小さく、弱かった為に、人よりも行動に移すまでに時間がかかり、毎日のように先生から体罰を受けた。
その度に、泣いた。
保育園給食を食べるのが遅いと叩かれ、昼寝が出来ないと叩かれ…
朝、起きるのが嫌になっていた真美は保育園に行きたくないと毎朝泣くようになった。
「保育園行きたくないよー!」
祖母に叩かれた。
また泣いた。
また叩かれた。
「何で行きたくないの!?」
「だって…、だって…行きたくないのー」
幼なすぎた真美の覚えてたての言葉の中に“先生に叩かれる”という、難しいセリフは知らなかった。
毎朝泣きながら保育園に引きずられる。
気が重い毎日…
さくら組の真美は、恐い先生の顔を伺いながら日々を送る…
「真美ちゃん、またおばあちゃんに怒られちゃったのぉ?」
(コクン…)目を真っ赤に腫れ上がらせた真美はうなずく。
他の組の先生は女神のように優しい…
時々、他の組の先生に優しい言葉をかけられる。それだけが救いだった。
幼いながらに神様のような優しい眼差しに心から癒された。
しかし………
ある朝、いつもの様に泣いた後、連れて来られた保育園で真美はショックを受けた。
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