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~4月~
岬秀吾はゆっくりと瞼を開いた。
そこには見慣れた天井が広がっていて、夢から覚めたことを改めて認識する。
ベッドから起き上がり、体を思いきり伸ばす。
その瞬間、ふと視界の隅にテレビの上に置かれた卓上型のカレンダーが映った。
そしてまだ3月のままになっているそれを片手でちぎり、真新しい4月の紙へと変わる。
4月、あの大晦日の時から3ヶ月経ったのだ。
ベッドの枕元に置かれた白球を手に取り、握り締め、岬秀吾は再戦を自らに誓った。
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