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小「なぁ秀吾、早く行こうぜ!完璧に出遅れるぞ!」
秀吾は何度目かわからないため息をついた。
これでもう何回このセリフを聞いたのだろうか。
岬「……だから俺は行かないって言ってんだろ。オグと成也が行けば十分じゃないか」
秀吾はオグの方を見ず、背中越しにそう言う。
そして構わず目の前の窓から見える桜の木と校門の所に群がる新入生を見続けた。
小「だけどお前がいなかったら集まらないかも知れないだろ!なんたって岬は夏の予選で活躍した有名人なんだからよ!」
岬「別に…そんなんじゃねぇよ。俺は英雄なんかにはむかない」
活躍?
英雄?
自分がそんな奴じゃないってことは十分わかっている。
だからこそ頑なに拒否しているんだ。
小「そんなこと言うなよ~。岬も勧誘行こうぜ?なッ?」
そう、さっきからオグがしつこく誘ってくるのは新入生の部活勧誘の件だ。
~昨日の練習終了後~
岡「明日は何の日だ?言ってみろ小倉!」
小「はい?確か入学式じゃないんすか?」
岡「その通り!じゃあ次の問題だ!入学式といえば何をする?」
唐突に始まった岡の問答は止まることなく続けられる。
オグは少しの間考えると、
小「わかった!新入生のJKをナンパに…がふッ!!」
全てを言い終える前にオグは先輩達の集団リンチにより帰らぬ人となった。
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