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俺たち二人は、東京の大都会の中で生まれ、育ってきた。
小さい頃から家が隣通しと言うこともあり、俺と彼女は大変仲が良く、まるで兄妹の様だった。
俺たちは地元の中学校を卒業後、遥か北、北海道の田舎にある私立高校を受験した。
狭苦しい都会育ちの俺たちにとって、北海道の大地に広がる大自然は憧れだったから。
初めは親に反対されたが、彼女が行くことを既に決定していた為、親は後に、彼女を独りにするわけにはいかない。と、言って俺の北海道行きを許可してくれた。
しかし、住む環境が東京と全く違う北国の地でいきなり周りと馴染める訳が無く、高校に入りたての頃はいつも二人でいた。
そんな時にあのキャンプの話がクラスの担任から持ち出された。
他校の生徒との交流、自然との共生をテーマにしたキャンプだ。
わざわざ寒空の下、テントを張ってキャンプをしたがる者は当然いる訳なく、三人の枠はがら空きだった。
彼女は俺にその話を持ち出すと、俺の意見を待つ前に立候補して、俺は半強制的にキャンプに参加することになる。
反対はしていたが、この場所に俺以外、彼女と親しい人間がいない。と考えると、渋々了承した。
あの時の彼女の笑顔は今でも覚えている。
それにしても、彼女がどうして俺に付いてくるのか。
あの頃の俺にはわからなかった…。
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