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拝啓
元気でやっていますか。
僕は一人、心の中で呟いた。拝啓なんか付けてみても手紙じゃないのに返事など来るはずもなく、自嘲して見上げた空は桜の大木に隠れていた。
もしも上空からこの桜を眺めたなら、どんなに美しいだろう。
枯れ木、蕾、徐々に花が開き、散り、そしてまた芽吹く。
貴方が好きな桜を見て、僕は貴方を思い出している。
貴方と出会った日のこと、互いに惹かれ合いながらも、離れ離れになってしまったこと。
全ての始まりは今、僕の前に聳(そび)えるこの桜の木。
まだ終わってなどいない貴方との関係の続きを、僕は二年間、待ち続けた。
貴方と出会ったのは、三年前の今日だった。
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