1[君の存在]

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 あの日から、俺の中から『あいつ』が居なくなった。 今まで散々『あいつ』には悩まされてきたけど、 今は少しだけ、同情している。 俺がずっとそうだったように、 『あいつ』も自分の存在理由を求めていたのかもしれない。 だって、『あいつ』も確かに存在していたのだから。 俺の中に存在していたもう一人の俺。 もしも彼が言ったように、 ずっと内側からその時を待っていたのかも知れないと考えたら、 少しだけ、 胸が痛くなった。
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