第七章 大罪を背負いし者たち

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「……」 「君も"賢者"の坊やたちに感化されたクチだろ?彼らなら、迷わず助けるだろうからね」 数ヶ月前、炎の中からレイシャを救い出した少年がいた。彼は、自分を殺そうとした相手を救う事に躊躇いを見せなかった。 「アンタもウカウカしてるとアイツらのペースに、呑まれるわよ?」 「ははっ、確かに君たちには期待しているよ。この帝都で君たちが何か大きな事を成す予感もあるーーだが、覚えておくといい」 西国最強の英雄、レム。その腕前にはベルゼブブやサタンも一目置き、西国にその人ありと謳われた伝説の騎士。 そんな彼女を齢十三にして降した賢者(バケモノ)がいた。指一本触れず、傷一つ負わず。 「"賢者"はーー信念の炎を燃やす者は、坊やだけじゃない。御伽話の主人公が一人きりなんて誰が決めたんだ?ここから先の戦いは、今までのようにはいかないよ」 転移魔術が発動し、レムの姿が消え失せる。 一人残されたレイシャ、その瞳には燃え盛る倉庫が映し出されていた。
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