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こんな暗い夜は 生まれて初めて。     切なさや淋しさが 入り交じった闇が 私を深くへと誘い込む。   何も見えない。   ただ、目の前に ある闇は深く、 延々に続くことは分かる。   このまま歩いていったら どうなるのだろう。   ふと不安が頭を過る。   だが闇は相変わらず 私を誘い込むことしか 知らない。   闇は徐々に暗さを 増していく。   私の不安も比例していく。     不意に何かが 私を照らし始める。   それは今まで 見たこともないような 純白の光。   ただ闇の一点のみを照らす 微かな光。     私は途端に その光にむかって 走り始めた。   その光が希望では 無いかもしれない。   その光は本当は 闇かもしれない。   でも今は信じるしかない。   私の道は これしかないから。   たった一筋の未来だから。     そして私は 全速力で走り始めた。     それが深い深い 闇の始まりだとも 知らずに…。
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