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その日の午後に空の
母親がお見舞いに来た
「空はこの部屋にいます」
今の状況だけを説明した
母親は一礼して
中に入って行った
「空…」
『ママ、来てくれたんだ』
「当たり前でしょ、大切な息子なんだから」
『ありがとう…パパは
元気?』
「空…貴方知らないの?」
『ん?』
「パパは…事故でもう
いないのよ」
今…何て言ったの?
『えっ…いないって』
「パパは…死んでしまったの」
『嘘…だよね?』
「ほんとよ」
『そんな…嘘だ…』
「空…」
どうして…
最後にパパと会ったのはいつだっけ…
それすらも思い出せない
『ううっ…うわぁーー!』
「空、大丈夫か?」
『奏…パパが…パパが…』
やはり泣いていた
「申し訳ありません、
今日のところは…」
「わかりました…空、また明日来るわね」
『ううっ…何で…』
空の泣き声を聞いて、
ドクターが慌ててやってきた
「かなり興奮しているので、眠らせます」
「ああ」
注射を打たれた空は
そのまま、泣きながら
眠った
これからどうしたらいいんだ…
もう
どうしていいのかすら
わからなかった
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