日本に行っちゃう?

21/26
前へ
/177ページ
次へ
空の目が覚めて2週間が経った 母親が毎日来てくれていたおかげで、空も少しずつ笑顔を取り戻していた 「奏、そろそろ国に戻らないとヤバイよ」 「わかってる」 「予定よりかなり帰国が遅れてるし…今こんな話はしたくないんだけど」 「待てよ、今の状態の空を連れて帰るのかよ」 凱が口を挟む 「連れて帰るには、俺達の話をしないとな」 「だね」 「もう少し待てないの?」 「待ちたいけど、来週 奏は交流のある国に招かれているんだ…王子としての仕事もやらないとね」 「何だよそれ…」 「空も大分落ち着いてきたし、話すなら今のうちかもね」 「そうだな」 「明日には日本を出ないと」 「空に話してくるよ」 「わかった」 部屋を出て、空の病室の前に来た 『あはは、ママそれはうさぎじゃなくてカニのはさみだよ』 「だってママ、今一人だからそんなに料理とか しないから…」 『ママ…』 「ねぇ、空…」 『ん?』 「家に戻ってママと暮らさない?」 『えっ…』 「パパも風も空も…ママから離れてしまって… そんなに家は居心地が悪かったのかなって…」 『ママ…』 「ごめんなさい、今のは忘れて…空には空の人生があるんだし、貴方には悔いのない生き方をして欲しいから」 寂しそうなママ 少し見ない間に すごく痩せてしまった 優しいママ いつも俺は我が儘ばかり言っても、笑って許してくれていた 今度は俺が、ママを元気にさせてあげる番だよね 『わかったよ…家に戻ってママと暮らす』 「……ありがとう…でもその気持ちだけで十分」 『どうして?』 「貴方、奏多さんはどうするの?」 『どうするって…俺が 家に戻っても会えるから大丈夫』 「空…仕方ないわね… 今からママが話す事を よく聞いて、それからまた貴方の返事を聞かせて」 『う…ん…わかった』 そして ママから聞いた話は 信じられないような話で 奏が王子様で今日本には 住んでいないとか 楓や凱も奏と一緒にいるとか とにかく、鳥肌がたつほど驚いたんだ
/177ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1824人が本棚に入れています
本棚に追加