花と水と…

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「よし、行くか」 『うん』 「……ほら」 『ありがとう』 いいのか俺? 男と手を繋いで外出なんかしても… だけど、なんとなく ほおってはおけなくて つい… 「足元、気をつけろよ」 『うん』 車に乗り、まずはランチを食べに行く 「知ってる店でいいかな?」 『いいよ、胡蝶が連れていってくれる所なら』 「わかった」 これから行こうとしている店は、最近知った店 たまたま入った店だが、 オーナーの彼氏と花の話が盛り上がって仲良くなった それ以来、たまに立ち寄る事にしていた 『その鉢植えは?』 「ああ、プレゼントだよ」 『誰に?』 「今から行く所にいる、オーナーの大切な人だ」 『女性?』 「いや」 『男の人?』 「ああ」 『オーナーは女性なんだ』 「いや」 『えっ?』 「そこの店にいる人達は、全て男性だ」 『えっ…じゃ、もしかして』 「まぁ、そういう事だな…だけどなんだろな… 不思議と応援したくなるんだよな…」 『そうなんだ』 話をしていたら海沿いのレストランに着いた 『ここ?』 「ああ、行こう」 『うん』 手を繋ぎ、店に向かった 『海の香がする』 「まぁ、すぐそこが海だからな」 『綺麗?』 「ああ…ここの海は景色が綺麗だ」 『そっか…』 「店に写真があるから、見せてもらえばいい」 『うんっ!』 「最近来てなかったからな…いるかな」 店のドアを開けて 中に入る 「いらっしゃいませ、胡蝶様」 「オーナー久しぶり」 「そうですね…お忙しいみたいでなによりです」 微笑みながら、窓際に 案内された 「あっ、翔君いるかな?」 鉢植えを指差す 「はい、呼んできますね」 微笑みながら席を離れた 『何だか、すっごく綺麗な人のオーラが』 「ああ、すっごく綺麗だよ」 『やっぱり』 「てか、店の人間全てがすっごく綺麗だ…びっくりするぞ」 『へぇ』 「そこらのホストクラブなんか目じゃないな」 『すごいね』 「こちら、オーナーからです」 テーブルにワインが置かれた 「ありがとう、元気そうだね」 「はい、私も幻月も元気です」 「それはよかった」 「はい…では、失礼します」 『ホスト?』 「な訳ないだろ」 『だよね』 「ワインを飲んだら酔いがさめるまで海にいないとな」 『嬉しい』 「クスッ」 オーナーめ…わざとだな…と苦笑した
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