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セラは写真に顔を近付けて見つめていた
その姿がとても可愛かった
『実物はもっと綺麗なんだろうね』
「まぁな」
食事も終わり、二人で
海岸に行く事にした
酔いも醒まさなければ
いけないしね(笑)
「じゃ、また来るよ」
「ありがとうございます…是非、またお二人で」
「オーナーも翔と同じ意見かよ…」
「はい」
「じゃ、ご馳走様」
セラの手を繋いで
店を出た
『和海…あの二人』
「顔を見ればすぐにわかります」
『うん』
「でも私は、愛する人の為なら、神に逆らう事もいいと思う人間ですから」
『だな…』
手を繋ぎながら歩く二人の姿をいつまでも見つめていた
『気持ちいい~』
「久しぶりだな」
最近は忙しすぎて
休みもなかったからな
『少し酔ったみたい』
「ホントは飲めないんだぞ?」
『な~いしょ』
笑いながら言う
「大丈夫か?」
『うん』
「ほら、少しもたれて
休んでおけ」
『いいの?』
「特別だ」
あの店に行くと、何故か優しい気持ちになる
男にひざ枕なんて
一生する事はないと
思っていたのに…
不思議な気分だ
「大丈夫か?」
セラは眠っていた
風に揺れる髪を
無意識にそっと撫でる
やわらかいな…
何だか俺まで眠くなってきた
そのまま後ろに倒れ、
流れる雲をただ、見つめていた
波の音と白い雲
この場所だけ、時間が
ゆっくり流れているみたいだ
たまにはこんな時間も
ありだな…
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