花と水と…

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「はぁ~、疲れたな」 『そうでもないよ』 「さすが若いだけあるな」 『胡蝶だってまだ若いじゃん』 「そりゃ、どうも」 家に帰りソファーに 座る 「あっ…お腹すいた?」 『じゃ、適当につくるよ』 「お前も疲れてるから、ピザでも頼もう」 『大丈夫、すぐ用意するから』 そう言って、キッチンに向かう う~ん…普通の女より よっぽど気がつく 可愛いし、料理はうまいし …って、俺何考えてるんだよ… 『お待たせ~、パスタでいいかな?』 「ああ、サンキュ」 パスタでいいかなって… サラダまであるし 家の冷蔵庫から、よく これだけのものを作れるな 『じゃ、いただきます』 「いただきます」 『美味しい?』 必ず聞くよな(笑) 「美味しいよ」 『よかった~』 この会話もいただきますとセットだな 「じゃ、先にお風呂に入れ」 『胡蝶は?』 「俺は店を見てくる」 『わかった、じゃお先に』 「ああ」 セラが居なくなった後、 店に行く 「元気だった?」 花に向かって話かける 鉢植えの花に水をあげる時が1番幸せだ こいつらは手をかけた分だけ、綺麗な花を咲かせてくれるから 『胡蝶?』 「ああ、どうした?」 『誰かいるのかと…』 「こいつらに話し掛けてたからな」 『何してたの?』 「こいつらの食事」 『水をあげるだけでしょ?』 「ちがうよ」 『えっ?』 「水をあげて、肥料をあげて、話し掛ける」 『花なのに?』 「もちろん」 『だって…』 「話し掛けてやると、 綺麗な花を咲かせてくれるからね」 微笑みながら花を見つめる 『戻るよ』 「ああ、先に寝てろ」 『うん』 なんとなく元気がないな… やっぱり疲れたのかも 知れないな
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