花と水と…

18/21

3949人が本棚に入れています
本棚に追加
/205ページ
「寝てろと言っただろ」 上着を脱いで寝室に向かう 『胡蝶…』 「ん?」 『どこに…行って来たの?』 「飲みに行ってた」 『じゃ、どうして男の人の匂いがするの?』 「男の連れと行ってたから」 『じゃ…どうして…キスマークがついてるの?』 「えっ?」 うっかりしてたな… 『何故…石鹸の匂いがするの?』 「うるさいよ?」 『どうして…どうしてだよ!』 「騒ぐな!お前だって…」 『お前だって…何?』 「ごめん」 『お前だって…同じ事をしてただろ?って言いたいの?』 「悪かった」 『だから…胡蝶も同じ事をするの?どうして… 俺には何もしないで……知らない奴を…どうして』 セラは泣きながら部屋を 出て行った セラの生きて来た世界を知って 余計に落ち込む俺… わかっているんだ 俺はセラの過去に嫉妬しているって事は… 全て俺が悪いんだ どうしようもない罪悪感に襲われながら結局眠れずにそのまま仕事に向かう 今日は何も入ってないので店で過ごす 「眠っ…」 「外の鉢植えが欲しいんだけど」 「いらっしゃいませ……あっ」 「ああっ!」 最悪だ… 「このお店の人だったんだ」 「どの鉢植え?」 会話を無視して鉢植えを 取りに行く 「冷たいなぁ~、あんなに激しく…ね」 「これでいいですか?」 「また今日逢える?」 手を握られた 「俺は逢いたいな…」 『手を離せ!』 「セラ?」 「何だよ、お前」 『俺は…俺は…』 「恋人だよ」 『胡蝶…』 「へぇ…じゃ、喧嘩でもしてた訳?あんなに…」 『黙れ!』 「あれ?な~んだセラじゃん」 「知り合いか?」 「知り合いもなにも、セラはあそこの常連だったよな?」 『……………』 「お兄さん知らなかった?セラはお金さえ払えばどこでもなんでもやるのさ」 『黙れ、黙れ!!』 「セラ!」 走り出したセラを 追いかけた どうして必死に追いかけているんだ…? 馬鹿だな… これが全ての答えじゃないかよ! 気付くのが遅いんだよ 俺は……
/205ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3949人が本棚に入れています
本棚に追加