花と水と…

20/21

3949人が本棚に入れています
本棚に追加
/205ページ
『クスッ』 セラ? 何故笑っているんだ? 「セラ?」 『愛してる愛してる愛してる…言葉なんて簡単だね』 「えっ?」 『まだ気付かない?』 「気付く?」 『俺の本当の名前は星羅』 「………セイ…ラ?」 『思い出した?お兄ちゃん』 「まさか…そんな」 月のピアス シルバーの髪 子供の頃の怪我 お兄ちゃん… 「なっ!まさか…そんな」 『やっと思い出した?』 「お前…」 『実の弟を抱いた気分はいかが?』 「どうして…」 『どうして?どうして、どうして…それは俺がずっと聞きたかったよ』 「星羅…」 『子供の頃、ママに可愛がられてる俺に嫉妬して、俺を階段から突き落としたよね』 「それは…」 『痛かったよ…でもそれよりも悲しかった』 「違うんだ!」 『違わないよ…それから、俺を物置に閉じ込めた事もあったよね』 「星羅」 『怖かったよ…暗くて 狭くて…いくら泣いてもお兄ちゃんは出してくれなかったよね』 『それから親が離婚して、俺はママにお兄ちゃんはあいつに引き取られていった…覚えてる?この ピアス』 「ああ」 『ママが大好きだった 月のピアス…病気になってもあの人は助けてくれなかったよね……苦しみながらママは最後に言ったんだ…悔しいって』 「死んだのか?」 『ああ…それなのにあんたはいつも笑っていたよね?』 「違うんだ…」 『あんたは俺を抱いた事を一生後悔して生きていけばいい…ざまぁみろ』 「星羅!」 そのまま星羅は帰らなかった 違うよ星羅… お前はまだ小さかったから… いや、昔の事を話すのも今更だよな だって俺は…血の繋がった弟を本気で愛してしまったんだから
/205ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3949人が本棚に入れています
本棚に追加