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星羅が家を出て行ってから1ヶ月が過ぎていった
捜したい気持ちはあった
しかし、捜し出してどうするんだ?
どうにもならないだろ…
「こんにちは~」
「いらっしゃいませ」
「また喧嘩?」
「喧嘩ね…喧嘩ならまだましさ」
「ふ~ん…」
「何だ」
「セラ…最近荒れてるよ」
「またあの店に?」
「知らなかったんだ」
「ああ」
「そりゃもう…酷い荒れ方だよ」
「そうか」
「毎日毎日、痣を作ってきてさ…やばい遊び方してるって噂」
「馬鹿な奴だな」
「迎えに行かないの?」
「行かないよ」
「どうして?」
「俺達は愛し合えないからさ」
「えっ?意味がわかんないし」
「わからない…か」
「病気や身内でもないくせに」
「フフッ」
「……………えっ?」
「病気の方がどれだけましか…」
「まさか…嘘…だろ」
「なぁ…兄弟でも愛し合える所があるなら教えてくれよ…」
「……大丈夫?」
「なんとかな」
「今にも倒れそうじゃない」
「このまま死んで生まれ変わりたいよ」
「バカッ!」
「えっ?」
「やっぱり熱がある…
ほら、寝てなきゃダメ」
「大丈夫だ」
「俺が心配なんだ!」
「上がるよ」
部屋に上がり、俺をベットに寝かせ、頭を冷やしてくれた
「ありがとう…」
「那智…俺の名前」
「ありがとう、那智」
「貴方は?」
「俺は…胡蝶…」
そう言ったまま
意識が遠ざかっていった
星羅…お前は何故自分を
傷付ける…
星羅……
愛してはいけない弟
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