憎しみと真実と…

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「お腹空いたね」 「だな」 車を降り、店に向かう 「いらっしゃいませ」 「久しぶりだな…今日はこいつの誕生日だから、美味しいものを頼むよ」 「はい、どうぞこちらへ」 案内されたのは窓際の席 あの日と同じ場所 「綺麗なお店だね」 「ああ」 那智が店内を見回した 「あっ…」 「どうした?」 「うん…何でもない」 「おかしな奴だな」 「ごめん」 どうしてセラが居るんだよ? 気付かれたらどうしよう 「那智?」 「あっ、ごめん」 でも、今は俺と付き合ってるんだし、胡蝶とセラはどうにもならないんだ ワインが運ばれ、二人で乾杯する 「お誕生日おめでとう」 「ありがとう」 「てか、お前歳はいくつだ?」 「今日で18!」 「じゃ、飲めないな」 「やだ、飲む!」 「ったく…少しだけだよ?」 「わかった」 「やれやれ…そんなに若いとは」 「ピチピチだよ?」 「だな」 笑いながら話をする 「今夜は泊まって行こうか」 「ホント?」 「誕生日だしね」 「嬉しい!」 花達には朝水をあげたから大丈夫だな 『ほら、野菜も食べろよ、セラ』 「えっ?」 「胡蝶、はいワイン」 「あ、うん」 セラ? まさかな… (ガシャン) 『ごめん』 『大丈夫』 『和海、ワインこぼしたから席移動してもいい?』 「わかりました」 『セラはどこがいい?』 『窓際がいいな』 『わかった』 席を立ち上がり窓際に向かった
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