憎しみと真実と…

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星羅… 怪我をしてるって言ってたな そっとシャツをめくる 「なっ!」 体中、切り傷と痣だらけじゃないか… 一体、何をしていたんだ 「これは…」 細い手首には無数の線が入っていた 「馬鹿だな…そんな事をしても死ねないよ」 布団をそっとかけ、 タオルで頭を冷やした 『…んっ…胡蝶…ごめんなさい…許して…ごめん……』 お前は毎日うなされて いたのか? 兄弟か……… それは紛れも無い事実 消すことは出来ない しかし、星羅には 忘れてしまっている事実を話さなければ、前には進めないんだ 空が明るくなってきた 窓を開けて空気を入れ換える 『んっ……』 「星羅」 『えっ…?どうして』 「倒れたんだよ」 『あっ…そっか…悪かったね、帰るよ』 ベットから立ち上がり ふらついて倒れる 「まだ動けないよ」 『離せよ!』 「嫌だ」 『お前なんか…嫌いなんだよ!』 「いいよ、嫌いでも… でも、俺は星羅を愛してる」 『おかしいだろ?俺達は兄弟…んんっ…っ』 抱きしめながらキスをした 抵抗する手を押さえつけながら激しく舌を絡ませる 『んんっ…』 「愛してるよ」 『………んっ…っ』 星羅の舌が俺を探す お互いに激しく絡め合う 『胡蝶…』 「一緒に地獄に堕ちよう」 『……………』 「嫌か?」 『嫌じゃない』 「愛してる」 『愛してる…すごく逢いたかった』 「俺もだよ」 『許してくれるの?』 「当たり前だろ?あれはお前の本心じゃないから」 『ごめんなさい』 「それに…お前に話さなければいけない事もある」 『うん』 星羅を抱きしめたまま 静かに話を始めた
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