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「あれは…お前がまだ5才の時、俺ははっきり覚えている」
「星羅と胡蝶はかわいい私の息子」
「ママ、大好き」
「ママも星羅と胡蝶が大好きよ」
(ガシャン!)
「パパだ」
「星羅はきちゃだめ」
「どうして?」
「どうしても…胡蝶、星羅を」
「うん」
星羅をつかまえ、部屋に戻る
「星羅はどうした?」
「寝ているわ」
「ふん!だったらかわりにお前を殴らせろ!」
「やめてっ!」
「あいつとの子供なんだろ?俺には似てない…
まだあいつとお前は…」
「違う!信じて、星羅は貴方の子供よ」
「黙れ!」
「キャーー!」
「父親の被害妄想は酷かった…星羅は浮気して
出来た子供だと思い込んでいたんだ」
『えっ?』
「そんな事はあるはずないのに…毎日暴力をふるっていたのが父親…星羅を守ろうとしていたのがママ」
「ある日、2階にいた父親にお前は見つかった…俺は急いで部屋から連れ出し、下に逃げようとしたんだけど、間に合わなかったんだ」
『じゃ…階段から突き落としたのは…』
「父親だよ」
『そんな…』
「それからますます被害妄想が酷くなった…
お前が見つかると殺されると思った…だから可哀相だったけどお前を物置に閉じ込めてかくしていたんだ」
『そんな事が…』
「そしてある日、お前の泣き声でママと父親の部屋に駆け付けた…お前は裸にされていた」
『えっ?』
「幸いなにもされてはいなかったが、ママがその時から狂ってしまった」
『えっ?』
「父親を殺してしまったのさ…」
『嘘…』
「そして、正気に戻ったママは死体を床下に隠した」
「そしてお前とママは家を出て一緒に暮らし、俺は海外にいると見せかけた床下に眠る父親とこの家で一人で暮らしていた」
『そんな…』
「ママはたまに昔を思い出し、殴られた事だけを思い出していたみたいだね」
『じゃ、父親は…』
「今でもこの下に眠っているよ」
『ヒッ!』
「俺の精神状態はもう
狂っているんだ」
「俺が…怖い?」
無意味な復讐をした星羅をとがめる事は出来ない
これで星羅が逃げたとしても…
仕方ない事だから
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