嫉妬と涙と…

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星羅が先に着替え終わり、何故かガン見をされていた 「あの…なんですか?」 『いつまでつけてるの?』 「つけてる?」 『そのお揃いのピアス』 「あっ…」 妙に馴染んでいたから お揃いの事をすっかり 忘れてた… 「だけどピアスはこれしかないし、また買って……って星羅?」 『やだよ…っ…ヒック…』 出たな…必殺泣き落とし 「わかったわかった… 外すよ、だから泣くな」 『じゃ、はい』 「ん?…これは……」 『ママの形見』 「ああ」 『そしてお揃い』 「まぁ…な」 『いや?』 「いやじゃないけど、 目立ちすぎじゃない?」 『胡蝶は俺とお揃いは 嫌なんだ…』 「違うよ…同じピアスを付けているって事は、 みんなに俺達の関係を 公表してるようなものなんだよ?」 『嫌?』 涙目で見つめる やれやれ… お前の為なのに 「わかったよ」 『ほんと?じゃ、つけてあげる』 「うん」 『このつけてたピアスは…』 「あっ、貸して」 『………………』 「捨てろ」 『うん!』 はぁ… 星羅のヤキモチにも 参るな 『はい、出来た』 「サンキュ」 『お揃い~♪』 「クスッ」 いつも見ていた月のピアスが、俺の耳元で揺れる 不思議な感じだな 二度と外す事のないピアス 見えない何かで縛り付けられているようだった
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