嫉妬と涙と…

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「胡蝶、いらっしゃい」 「久しぶり」 ビニールハウスの外で 待っていたのは星羅と 同じ年の青年 去年からここで新種の花を研究していた 「またかっこよくなったね~」 「そうか?」 「うん」 ひとなつこい奴だ 「あっ、星羅」 「ん?」 「後で紹介するよ」 「うん」 星羅は離れた所で花を見ていた 「どうした?」 『だって…』 「馬鹿だな~、単なる 仕事仲間だろ?」 『馴れ馴れしい…』 「あのな~」 『それに…同じ匂いがした』 「へ?」 『あの人は胡蝶が好きなんだ』 「はっ?」 『ホントに鈍いんだね』 「わかったから、すねるな…行くぞ」 手を繋ぎ、ビニールハウスの中に入る 「おまたせ、こいつは 星羅だ」 「こんにちは」 『こんにちは』 「お店の人?」 「いや、一緒に暮らしてるんだ」 「えっ?」 『右耳のピアスの意味…知ってる?』 「えっ……あっ」 気付いたらしい 「胡蝶…えっ、嘘」 『ホントなの!』 「星羅…仲良くしろ」 『してるじゃん』 「はぁ…」 「てか、胡蝶…彼と?」 『あなたも同じでしょ?』 「えっ?」 『だって、ピアスが開いてるもの』 「参ったな…」 『でも胡蝶はダメだよ』 「星羅、もうやめろ」 『だって…』 「いや、いいよ…そっか…胡蝶がね…」 『残念そうだね』 「はは…だな」 「ほら、もういいだろ?そうだ新種を見せてくれ」 「あっ、こっちに」 「星羅、少し待ってて」 『わかった…』 胡蝶は奥に行ってしまった 仕方なく、座り込んで待つ事にした
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