花と水と…

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次の日、言われた時間にセラは起こしにきた 『胡蝶~!5時だよ!』 「………………」 『胡蝶!!起きて!』 体を思いきり揺すられた 『むっ!』 「ぐっ……ぷはっ!」 鼻と口を塞がれた 『おはよ!』 「お前…殺す気か?」 『でも起きたじゃない』 「まぁ…な」 『ご飯出来てるよ』 また手を繋ぐ 『あっ、ごめっ』 「いや」 安心するとはそういう 意味だったのか… 見えないから不安なんだな 「行くぞ」 セラの手を引き、リビングに向かう 「お前…キッチンで寝たのか?」 『うん』 「どうして?」 『ここなら胡蝶が隣の部屋にいるから』 「はぁ…わかったよ、 今日から同じ部屋で寝ろ」 『ホント?』 「ただし!」 『ただし?』 「襲うなよ」 『わかった、襲わない』 「ばぁか!」 『ふふっ』 朝食を食べ終え、仕事へ行く準備をする 『帰りは何時くらい?』 「ん~、今日は遅くなるから先に寝てろ」 『起きて待ってる』 「何時になるかわからないから」 『待ってる』 「どうして?」 『一緒に…ご飯が食べたいから』 参ったな… 今日は女友達と遊びに行く約束をしてるしな 「わかったよ、なるべく早く帰るよ」 『わかった!じゃ早く帰ってきてね』 「ああ」 『行ってらっしゃい』 「ああ」 『行ってらっしゃい』 「行ってきます」 玄関を閉めながら苦笑した 行ってきますなんて 何年、いや何十年振りに言ったんだろ へんなやつだ…
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