狂喜と快楽と…

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『胡蝶、あの男が声をかけるよ』 「ん?」 星羅の読みは当たった 「お前すごいな」 『見えないけど雰囲気でわかるんだ』 「成る程」 『どうするの?』 「どうするって言われてもなぁ」 「あれ~?珍しいじゃん」 「那智」 『居たの?』 「今日はたまたまだよ」 『へぇ』 「そんなに絡むなよ」 那智が笑う 「那智、あのカウンターに座ってる奴…」 「ん?」 カウンターをチラッと見ながら言った 「静流の事?」 「知ってるのか?」 「ああ、最近よく見るね」 『いつもあそこに?』 「だな…別に金が欲しい訳でもないみたいだし」 『相手を捜してるだけ?』 「そゆこと…今思えば、胡蝶に似た奴ばかりなんだよな…不思議だろ?」 「……ああ」 『胡蝶』 「どうしようもないだろ」 「ん?もしかして知り合い?」 「まぁ…な」 「成る程ね…だからか」 「参ったな」 『じゃ、あいつは断られるね』 「だな~」 星羅が言った通り、声をかけた男を相手にもしなかった 「あ~、彼はオッケーだな」 「えっ?」 『だね…目が胡蝶に似てる』 「まさか…」 静流は笑いながら話をしていた 「やっぱりな」 『どうするの?』 「だから、俺にどうしろって言うんだよ…」 『そうだけどさ』 「でも、かなり無茶な遊び方らしいぞ」 『立ち上がったよ』 「てか、相手の男…」 『うん…かなりヤバイ奴だよね』 「怪我しなければいいけどな」 仕方ないな…見てしまったら見過ごす訳にはいかない 「那智、これで静流を買ってこい」 「ちょ!10万て…」 「早くしろ」 「わかったよ」 渋々立ち上がり、カウンターへ向かった 『胡蝶…』 「ごめん…」 『いいよ…そんな優しい胡蝶も好き』 「ばぁか!」 那智はこの店には顔が利くみたいだ 声をかけた男はどこかに消えて行った そして 静流を連れてやってきた
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