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「散歩に行くか?」
『うん』
「今夜の月はお前のピアスと同じだよ」
『あっ…胡蝶、ピアス』
「そっか…」
ピアスを外すしたまま
だった
「星羅がつけて」
『うん!』
こうして俺の右耳に
また月のピアスが揺れる
『ふふっ』
「クスッ」
星羅のうれしそうな顔を見るだけで自然と笑みが零れる
『もう、外さないでね』
「ああ」
誰になんと言われても
構わない
星羅が幸せならそれでいい
『今夜は三日月?』
「そうだよ」
『きっと、綺麗なんだろうね』
「お前のピアスには負けるさ」
『最近、俺の扱いがうまくなったね』
「そうか?」
『うん』
「やっぱ、愛だよ愛」
『もう…』
公園のベンチに座り
二人でいつまでも
三日月を観ていた
星羅の瞳には
どんな風に見えているのだろう…
『胡蝶…俺はこれから先、何が起こっても平気だよ』
「俺もだよ」
肩にもたれる星羅の髪を優しく撫でる
『胡蝶…』
「ん?」
『愛してる』
「知ってる」
『もう…』
すこしすねる星羅
「言葉に出さないとわからない?」
『そんな事はないけど』
「じゃ、唇から伝えようか?」
『えっ…』
顔をあげた星羅の頭を
引き寄せキスをする
唇を離した星羅の顔は
照れていた
堪らなく愛おしいと思う
「帰ろうか」
『うん』
手を繋いで仲良く歩く
もう、隠したりはしない
指をさされても平気
愛し合う事はこんなにも甘美な事だから
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