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三人かたまって店の中で話をする
「ありがとう那智」
「気にしないで」
「だけど、酷い事をする奴もいるね」
「胡蝶は犯人を知ってるみたいだね」
那智に確信をつかれた
「まぁ…な」
「単なる嫌がらせならいいけど…」
「俺もそう願いたいよ…物はいくら壊されても構わないが…」
「星羅?」
「ああ…」
「確かに心配だよな」
「出来る限り傍にいるつもりだけど、仕事をしている以上、完璧には無理だしな」
しばらく考えていた那智が、静流に言った
「お前も店を手伝ってやれ」
「えっ?」
「胡蝶が配達に行く度に店を閉めるわけにもいかないだろ」
「いや、それは静流に悪い」
「いいよ…花は好きだし、この店でこっそり新種改良しちゃうかも」
笑いながら言う
「胡蝶、そうしてもらいなよ」
「本当にいいのか?」
「勿論だよ」
「ありがとう、助かるよ」
「いくらなんでも、昼間からは何もしてこないだろ?」
「多分な」
「じゃ、明日から来るよ」
「ありがとう静流」
「ところで星羅は?」
「あっ…やばい」
すっかり忘れてた
「じゃ、また来るよ」
「俺は明日ね」
「ああ、いろいろありがとう」
「いいって事!」
「うん」
二人は手を繋ぎながら
仲良く帰って行った
初めて、人の優しさに
触れたような気がした
友達…か
なかなかいいものだな
「あっ、星羅」
慌ててリビングに向かう
泣き疲れてソファーに
顔を埋めて眠っていた
「風邪ひくぞ」
そっと抱き上げ、ベットに寝かせる
「お前には傷をつけさせたりはしない…」
涙で濡れた頬にキスをして、部屋をそっと出た
やはりあの女の仕業?
そうだとしたら、かなり執念深そうだ
明日はどんな嫌がらせをされるのだろう…
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