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「じゃ、配達行ってくるよ」
『行ってらっしゃい』
「気をつけて」
二人はすっかり意気投合したらしい…
何となく寂しいな(笑)
「お昼には帰るよ」
『わかった』
「もし、何かあったら
すぐに連絡しろよ」
『うん』
静流もいるし大丈夫だよな
店を出て、配達に向かった
「紫陽花、大切にしてくれてるんだね」
『うん、胡蝶がね』
「あっ、ごめん」
『ん?俺は花の事はわからないから』
「そっか」
『今は那智と住んでるの?』
「まだ住んでないよ」
『どうして?』
「ん~、一緒に住むとさ、相手の嫌なところも、俺の嫌なところも見せてしまいそうだから」
『ふ~ん…見たくないの?』
「えっ?」
『普段見せないところを見せるのは、お互い信用し合って愛し合ってるから見る事が出来るんじゃない?』
「そうかもね」
『見せちゃえよ、カッコ悪い静流もさ』
「嫌われないかな…」
『大丈夫!じゃさ、もし那智が静流の目の前で
鼻をほじったら?例えが悪いけど…それを見て嫌いになる?』
「クスッ…ならないよ」
『だろ?きっと那智も嫌いにはならないよ』
「うん」
『胡蝶なんてさ…』
「ん?」
『内緒だよ?』
「わかってる」
『家ではお風呂あがりは素っ裸だし!』
「うはっ!」
『想像してみ?目の前を裸でウロウロしてる姿』
「胡蝶がね~」
『だから朝のパンツに反応した訳』
「成る程」
『他にもあるし、俺だって色々見せちゃってるかも』
「例えば?」
『くしゃみが出そうで出なくて…こよりを作って鼻の中に入れてくしゃみしようとしてたら見られて笑われた』
「誰でも笑うね」
『だから大丈夫だよ…
でも静流が一人がいいなら無理にはすすめないけどね』
「一人がいいなんて思ってないよ」
『だよね』
「うん」
『俺も一人は嫌い…』
「好きな人はいないと思うよ」
『うん』
そんな話をしていたら
あっという間にお昼に
なってしまった
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