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次の日はよく晴れたいい天気だった
静流と星羅は張り切って
お弁当を作っていた
歩いて5分もかからない場所
庭みたいなものだな
「用意出来たよ」
『早く行こうよ』
「わかったよ」
お弁当を持って、
山道を歩く
「着いた…」
『はやっ…』
「まぁ…近いしな」
『もう花が咲いてる』
「ほんとだ」
「綺麗だな」
『うん…前に来た時よりも、花が増えてるような気がする』
その言葉を聞いて、
俺と静流は一瞬、
顔を見合わせた
「どこからか種が運ばれたのかもね」
「だな」
『うん…』
やめてくれよ…
こんな所で思い出したり
しないでくれ
黙って咲き乱れる花を
見つめる星羅
静流も心配そうな
顔をしていた
『はぁ…お腹空いたね』
そう言って振り向く
その言葉にホッと胸を撫で下ろす
「だね」
「よし、じゃお昼にしよう」
『うん』
静流と星羅が作った
お弁当はとても美味しかった
でも、胸が苦しくて…
お腹は空いているはずなのに、食べれないんだ
それは、静流も同じ
星羅は美味しそうに
食べていた
その姿を見て、少し安心する
『はぁ…ごちそうさま』
「もういいの?」
『たくさん食べたよ』
「そう」
『あっ、俺散歩してくる』
「うん…余り遠くに行かないようにな」
『わかった~!』
星羅が居なくなったと
同時に、静流は泣き出した
「静流…」
「ごめん…っ…無邪気な星羅を見ていたら…つい…ううっ…胡蝶…っ」
「それでいいんだよ…
星羅はそれでいいんだ」
「わかってる…」
そうだろ胡蝶?
お前は星羅の笑顔が見たかったんだよな?
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