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武勇伝ねぇ……なんかあったかな?
いたずらとかは、浩次とやらかしたのは数しれず……が、武勇伝といえるほどかぁ?
考えていると
「喧嘩とか殴り合いとか俺した事ないんだけど、雄太はある?」
と敦が細かく質問してきた。
「あるよ」
さらりと伝えると、敦は目を輝かせて
「え?どんなん?
やっぱ殴られたら痛い……よな?」
と聞いてきた。
いっちょ、教えたるか。
得意気な気分になり、過去の殴り合いを思い出して口を開いた。
「そりゃ、殴り合いは痛い。
殴られたら、頭にがつんってすっげぇ衝撃がくる。
殴る拳もめちゃくちゃ痛ぇよ。
でも、なんかすかっとするっていうか、終わった後すっきりした気分になんだぜ」
話しているうちに、周りに他の野郎どもも集まってきた。
注目を浴び、ますます気分がよくなり話を続ける。
「殴られたら、すぐに反撃をする事を覚えておくといい。
間違っても、"相手に気が済むまで殴らせておけば終わる"
なんて考えちゃいけねぇぜ。
実際終わらないし、その後は最悪な関係が待ってから。
殴るほうはエスカレートしていくしな」
周りのやつらの感心してうなずく姿を見ながら、さらに続ける。
「反撃するなら目と目の間、鼻、その辺をめがけていけ。
自分の体力のあるかぎり、続けざまに反撃するんだ。
大抵、攻撃仕掛けてくるやつは反撃がくるなんて考えちゃいやしねぇ。
だから、予想外の反撃で相手がひるんでいるうちが勝負の時だ」
びっと人差し指を立てた。
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