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俺がうなだれていると、浩次のクスクスと笑う声が聞こえた。
「相変わらず元気だね。
美咲ちゃんは。
何年生になったんだっけ?」
浩次が目を細めて言う。
「2年になったよ。
あんなん妹をもつ身になってくれよ。
おまえ、あいつに懐かれてるしおまえにやるよ。
おまえが実の兄になってやってくれ」
そう言い放った俺に浩次はにやりと笑い
「よく言うよ。
美咲ちゃんがなんだかんだ言って可愛いくせに。
さっきの"何か買って~"って美咲ちゃんに言われて、いつも文句いいつつ買ってあげてるくせに」
そう言ってくる。
言葉に詰まって固まっていると、ドアをノックする音が聞こえた。
美咲か?
良かったいいタイミングだ。
ほっと胸をなでおろしながら
「おー。いいぞ入って」
とドアの向こう側の人物に声をかけた。
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