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友也は色んな事を思い、考えながら必死に言葉を探した。
琢磨の事は決して嫌いではなく、寧ろ好きな方に入るが本当に好きなのは仁で他の誰でもない。
だが、琢磨に告白されて嬉しいと感じているのも確かだった。
自分の中にある想いと感情がグルグルと渦を巻く。
「俺は...リーダーが好きだけど.....ずっと見てるのも辛いんだ」
「友也くん...」
「琢磨さん、前に言ったよね?他に好きな人が出来るまで想ってればいいって...」
「えぇ、言いました」
返ってきた柔らかい声に鼓動が跳ね上がり、友也は僅かに息を飲む。
気付かれないように深く息を吸い、同じ分だけ、ゆっくり吐き出すと真っ直ぐ琢磨を見上げた。
「じゃあ...俺に琢磨さんを好きにさせて!」
「え...?」
耳に届いた言葉に琢磨は思わず目を丸くさせる。
「好きにさせて?」と声には出さず聞き返し、唐突な事に、それを理解するのに、ほんの少しだけ時間が掛かってしまった。
「それは...恋に落としてって意味でいいのかな?」
分かりやすいように聞き返せば友也は、ぎこちなく小さく頷き、「他に意味があったら教えて」と憎まれ口を叩く。
琢磨は小さく笑うと腕を伸ばし、指先で友也の頬に触れる。
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