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僅かに寒さに震えながら、いつもと同じ散歩コースをジンと、のんびり歩く。
早朝、歩いてる人は殆んど居なく、静かで、小鳥の囀りだけが聞こえる。風は冷たいが空気が澄んでいて清々しく、気持ち良い。
玲志は、ぼんやりと仁を思い、立ち止まると、ポケットから携帯を取り出し開く。
声が聞きたいと思うが、電話をするには早すぎる時間で、迷惑な事、この上なかった。
「まだ....寝てるよな...」
常識的に考えれば、大体の人は、まだ夢の中。恋人同士とは言え、いくら何でも、そんな我儘は通じない。
玲志は静かに携帯を閉じるとポケットにしまい、ゆっくり歩き出す。
だが、急に足を止めると振り返り、辺りを見回した。
不意に感じた居心地の悪さ、誰かに凝視されているような圧迫感を覚え、心臓が動悸する。
嫌な感じがして、玲志は足早に歩き出すとジンに「待て」と指示し逃げるようにコンビニに入った。
店内を歩き、奥から隠れながら外を覗くが誰も居なく、さっきのは勘違いだったのかなと思う。
取り敢えず玲志は気持ちが落ち着くまで、少しの間、コンビニで時間を潰す事にした。
特に必要な物がある訳ではないが飲料コーナーを見たり、お菓子コーナーを見たりしながら買う物を探す。
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