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思いの外、拒否をされた友也は些かショックを受ける。「チェー」と拗ねた様子を見せ、今度は恨めしそうな目で仁を見上げた。
「ケチとか言うなよ?」
「リーダーの意地悪!!」
先に釘を刺されてしまい、何だか悔しくて友也は力いっぱい言い返す。
反応は正しく拗ねた子供で「本当に同い年なのか」と少し聞きたくなってしまう。仁は「意地悪じゃねぇって」と困ったように笑い、「拗ねるなよ」と優しく髪を撫でた。
友也は最初、「拗ねてない!」と言い返そうとしたが仁の大きな手が暖かくて口を噤んだ。
何だか物凄く久し振りな気がして懐かしさ、さえ覚える。
「じゃあ....今度、何か違うの頂戴...」
我儘な友也の、おねだりに仁は小さく笑い「そのうちな」と返した。
隣で友也が嬉しそうに笑っているのを感じながら携帯を覗けば新着メールが入っている事に気付く。
ボックスを開いてみれば、それは玲志からだった。
『
仁....今日、家に来ない?
温かいの食べたいなと思って
ダメかな?
』
仁は僅かに目を伏せ、嬉しそうに小さく笑うと、「玲志の手作り料理が食べられるのかな?」と直ぐ様、返信をする。
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