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武蔵達と一緒に二人の様子を見ていた友也は苦しくなり柚琉の袖に、しがみ付いた。
「友也...?」
急に、しがみ付かれ柚琉は驚くが、それと同時に発作を起こしたんじゃないかと思い心配になる。
少しして異変に気付いた武蔵は柚琉の腕に、しがみ付いている友也に、そっと触れ「大丈夫か?」と声を掛けた。
「何でもない....」
友也は、そう言って、益々、柚琉に強く、しがみ付く。
色んな事が頭の中をグルグルと駆け回り、どうにかなってしまいそうだった。
「仁、呼ぶか?」
「いい...それより柚琉さん」
「え?何...?」
「今日、柚琉さん家、行ったらダメですか?」
そう問い掛ければ何故か柚琉は酷く困惑した様子を見せる。
悩み考える素振りで武蔵と顔を見合わせ、小さく頷きあった後、徐に、ゆっくり口を開いた。
「今...武蔵と一緒に暮らしてるんだよ。だから....別にダメとは言わないが俺、一人じゃないよ?」
友也の雰囲気から何かを感じ取った柚琉は、先に軽く釘を刺す。「話は聞けるけど武蔵も居る」と遠回しに言い、「それでも良ければ」と付け足した。
友也は、ややあってから小さく頷き「武蔵にも聞いて欲しい」と今にも泣き出しそうな声で零す。
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