見えない壁

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彼の横顔にちらりと目をやる。 眼は切れ長で、鼻筋が通っている。 髪の毛は少しパーマがかっているがくせ毛なのだろうか。 首は案外太く、喉ぼとけが目立っている。 あ、鎖骨の下に小さなホクロが……     「見過ぎ」 「ひゃっ」 彼の目線は窓の外から優羽へと移っていた。 びっくりした優羽は素っ頓狂な声を出し、その瞬間夕日が差したように真っ赤になった。 「ごめん。 中学生みてえ。 かわいい」 くっくっと笑いながら片目で優羽を見る。
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