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彼女を見ているとイライラしてくる。
こんな嫌われ者の私に、みなから慕われている彼女がしつこく言い寄ってくるのか理解出来ない。
自分が人気モノだから、私に自慢したいの?
私は、その場に居てもたってもいれなくなって部屋を出た。
部屋を出る時に、彼女が……
「ボクは諦めないよ」
そんなことを言った気がした。
廊下を歩いているとチラチラと、腫れ物を見るような目で生徒たちが私を見る。私は学校ではある意味、有名人だった。
生徒たちは授業に全く出なく誰とも話さない私を、学校に蔓延る“蛆虫”や “幽霊”なんて呼んでいる。
どうせ社会に出れば二度と顔を合わせない奴らなので、気にはしていなかったが。
図書館へと向かっていると突然、三人の女に道を塞がれた。
「ちょっと、あなた。私に挨拶も無しに通り過ぎようなんて、どういったご身分かしら」
リーダー核の女が話しかけてくる。
それを無視して先を急ごうとする。
すると、側にいた女が私の肩を掴み、顔を叩き倒された。
「蛆虫の分際でセーラ様を無視するなんて、いい度胸ね」
「セーラ様にひざまづいて謝りなさい」
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