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セーラ・リィンバウム。
金髪の髪の毛をクルクルと巻いて、いかにもお嬢様という雰囲気を醸し出している。
見た目通りジブリール国有数の名家、リィンバウム家の一人娘で散々、威張り散らしている。
端にいる二人は……名前すら覚えてない、どうでもいい奴らだ。
いつもセーラと行動を共にして、家来気取りで好き放題やっている。
「何か言えば、どうかしら。蛆虫さん」
「………」
憎たらしい顔をしてセーラが話しかけてくるが、私は立ち上がり、何事も無かったかのように三人の横を通り歩いていった。
こういう者たちは無視をするに限る。
世の中の常だ。
「あの女、私を無視したわよ。腹立たしい」
「セーラ様、蛆虫には考える頭がないんですよ」
「自分の身分も弁えない。だから、蛆虫なんですって」
好き放題、勝手なことを私に聞こえるように言っているが反論する時間すら無駄なので、私は図書館へと足を進めた。
禁書庫に入ると、静寂が私を包み込んだ。
私は、この空間が好きだった。
生徒たちの喧騒も聞こえることなく、世界とは切り離されたように感じる隔離された別世界。
住人は私だけで、誰も邪魔をすることはない。
ここは私の、私だけの世界だった。
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