忘れさられし世界

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私は王都ジブリールにあるモーリス魔術士養成学校に通うリディア・ローレライ。 歳は十六で、全寮制の全十二学年からなる学校の第八学年に所属している。 私には、これといって得意な魔法はなく、人並み以上には魔法を行使出来た。 特技といっても意志がないとされる者たち、花や木々、石といったや無機物や幻想種や獣たちと意思を通わすことが出来るくらい。 このことは誰に話しても異端とされるだけで、親でさえ忌み嫌う始末で、決して誇れるものではないのだけど。 そんな私にとって唯一、友と呼べるのは本だけであった。
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